細胞が入れ替わるのになぜ老いるのか

こんにちは、キクチです。

前回の配信の続きになります。

 

前回の話をするとよくこんな質問が出ます。

 

・どうして入れ替わっているのに老いるんですか?

 

・入れ替わっているのに、どうして記憶は保持されているんですか?

というもの

 

まず前者の

・どうして入れ替わっているのに老いるんですか?

についてですが

 

前回話した通り、僕らの体っていうのは、合成と分解を繰り返してます。

それによってエントロピー増大の法則に対抗してるわけですけど

 

「完全にはリニューアルしきれない」

 

というのが、回答になります。

 

部屋の掃除をしても

家具の隙間とかにほこりがどうしても残るじゃないですか…

そんなイメージです!

 

それと同じように細胞を作り変えても、少しだけ酸化物老廃物が残ってしまいます。

 

こうやって残った酸化物や老廃物が長い時間をかけて、少しずつ蓄積していくこと、これが「老化」なわけです

 

ですから、アンチエイジングというのは、これらを如何に除去していくかという闘いになるわけです!

 

さて、もう一つの後者の質問は

 

「入れ替わっているのに、どうして記憶は保持されているんですか?」

ということですけど

 

記憶というのは「物質」ではなく「状態」なんです

 

つまり、記憶が脳の中のタンパク質に蓄積されていれば、確かに分解された時点で記憶は無くなってしまうけど、実際は

 

神経細胞(ニューロン)が連携した回路網として保存している

 

記憶の増強っていうのは、シナプスによって作られた回路に何度も電気が通ることで起こるわけですけど

この電気の通り道であるシナプスは確かに分解して交換されちゃいます

けど、「ニューロン同士の関係性」は保たれているんです!

 

よく、これを例える話で「山手線」が使われるんですけど

駅であるとか線路は、どんどん作り変えられるじゃないですか?

けど、『駅と駅の関係性』は変わらないですよね!

 

池袋の次が目白、その次が高田馬場、新大久保、新宿、原宿、渋谷…

ていう、この関係性は変わらない

 

けど、線路も電車も駅そのものも、壊れる前に交換する!

これと同じことが脳にも言えるわけで

駅と駅、つまり細胞と細胞の関係は保たれているから山手線同様、記憶も消えないで残るわけです。

 

と、ちょっと難しい話になっちゃいましたが、面白いと思ってもらえたら嬉しいです。

菊池

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